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【ご報告】鈴木直樹教授講演会を開催しました

 9月30日(土)日本科学未来館コンファレンスルーム天王星に於いて、マンモス研究の第一人者である鈴木直樹教授(早稲田大学理工学部教授/東京慈恵会医科大学客員教授)を講師に招き、「北極シベリアから発掘される冷凍マンモスと同世代の肉食獣たち-日露共同研究プロジェクトの成果と今後-」をテーマにご講演頂きました。

 鈴木教授は、医学研究と並行して30年以上にわたり永久凍土内の冷凍医学の研究を行っており、ヒトの進化の理解が未来の病気の解明につながるという信念に基づいています。2015年には、鈴木教授とロシア科学アカデミーの科学者が世界で初めて「幻の古代生物 ホラアナライオン」を発見し、これを受けて2017年にはNPO法人東京日本・ロシア協会の支援により日露共同研究プロジェクトが始動し、解析研究が進められることになりました。

 講演会では、これまでに発掘された数万年前の肉食獣の冷凍遺骸から、驚くべきほどの軟組織や血管の保存状態などが数多くの画像データを用いて説明され、マンモスというテーマだけでなく、科学の深遠さに触れる機会となりました。

 講演会後の質問セッションでは、コロナウイルスから気候変動、凍土に関する幅広い質問に鈴木教授が快く答えられ、医学博士、工学博士、理学博士としての鈴木教授の多彩な知識を分かりやすく共有することができました。

 講演会は鈴木教授の目指す「垣根のないサイエンス」の世界を感じる貴重な機会となりました。